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HERO 1話【長編】

悪夢にうなされた。

小さい女の子が道路に飛び出して、迫り来る大型車。
とっさに道路に飛び出した俺は、その子を抱きかかえて路肩に放り投げて、左を向いたらもうすぐ目の前に車がいた。

そこで目が覚めた。

いくらなんでもリアルすぎた。

女の子の顔、声もはっきりと思い出せる。

手の中の感触も。

っていうか、本当なのか夢なのかわからないくらい。

でも、途中で途切れてしまったけど、はっきりわかる事がある。


おれは・・・夢の中で確実に死んだ。



夢にしてもなんて夢だよ。

もう日が昇っているらしく、窓からの日差しがまぶしい。


ん・・・!?


窓からの日差し?


・・・ちょっと待て。


ウチは遮光カーテンだったハズだ。
職業がら朝になってから眠る事も多いオレには必須のアイテム。

カーテンを閉め忘れたのかな。

誰か電気をつけたのかな。

働かない頭でボヤーっと考えながらもなぜか嫌な予感がした。
だんだん頭がはっきりしてくると、そもそも布団や枕の感触がまるで違う。

なんとなく目を開けるのが怖かった。
何故だかわからないけど。

けど、まぁそうも言ってられない。
仕事もあるしな。

目を開けた。

そこは・・・全く知らない部屋だった。

どこだ・・・ここ?
誰んちだっけか。

あまりにさっきの夢が生々しく、実はアレは実際の記憶で、目を開けたら病院なんじゃねぇかとも思った。

でも違うなぁ。

確実にどこかの誰かの部屋であり、少なくとも病院ではない。
俺に包帯や管もついていないし・・・見たところケガも痛いところもない。

どこだ。

誰かのウチに泊まったんだっけか。
全く思い出せないし、見た事もない部屋だ。

とりあえずベッドから出て、部屋を見回してみた。

まず・・・明らかにとんでもない金持ちの部屋だなコレは。

だだっ広い空間にでっかいテレビや高そうなソファー・・・何帖あんだこれ。
窓から外を眺めてみたが、わかった事はかなり高層にある部屋なんだなっつー事くらい。

そして隅々まで見ても、誰もいない。

とりあえず落ち着こう。

冷蔵庫を開けたらとりあえず水があったので、それをとってソファーに落ち着いた。
勝手にあけて悪いとは思うが、まぁ後で買ってかえせばいいだろう。

タバコを吸おうと思ったけど、どこにあるかわからない。
いつも持っているハズの俺のバッグも見当たらない・・・あきらめよう。

さて。

段々ともう頭も冴えてきた。
ちょっとじっくりと考えてみよう、

・・・・・。

・・・・・。

思い出してきた。

なんか・・・頭がフワフワしてる。はっきりしない。

ちょっと順を追ってみようかな。


4月22日、俺の誕生日だった。

少し仕事を早めに切り上げた俺は、今日くらいは外食しようと久美子と待ち合わせていた。

もう同棲して5年になるけど、毎年毎年誕生日くらいはおいしいもの食べようなんて言いつつ、結局去年の誕生日も仕事で終電間際に帰った。

約束しておいて行けずじまいの俺が帰っても、彼女は一切文句を言わなかった。
それどころか、よくもここまでってくらいの手料理がテーブルに並んでいたくらい。

そして「おつかれさま!さぁ食べよ。」と毎年笑顔で言う。

今こうして思い出しただけでも心が痛む。
なんだかんだ言って、俺はその彼女に甘えていただけだ。

でも今年こそは・・・!と、無理矢理時間をつくったんだったな。

そうだった。

今年は特別な決意もあったんだ。

今年から、すべてが変わるハズだった。

約束よりもかなり早めに仕事をあがって、電車に乗り、最寄り駅に着いたのは確かまだ待ち合わせの1時間も前。
いっつも遅刻ばっかりの人間が気合いを入れると、だいたい空まわる。

ちょっと先にある本屋でものぞいて時間つぶすかと、歩き始めた。

そしたら、すぐ横で女性の悲鳴が聞こえて、振り向いたら小さい女の子・・・が、道路にいて・・・。

車が・・・。

あれ?

これって・・・さっきの夢と同じだよな。

でも。


間違いない。


なんでかはわからない。

助けないと!とも思った覚えはない。

そもそも俺はそんなに勇気も正義の心も持ち合わせていない、ただの小心者だ。

なんでかはわからないけど、反射的に俺は、道路に飛び出した。


そして・・・。


やっぱり・・・そうだ。


あの感覚は夢じゃない。


でも、実際に俺はいまここにピンピンしている。

なんだ?

そして、ここはどこだ?


例えば気を失った俺を、誰かがここに運んでくれたんだろうか。

そうかもしれない。


とりあえず、顔でも洗って身支度を整えて1回帰ろう。


俺は、洗面所らしきところに向かった。


そして・・・驚愕した。


もう何がなんだかわからない。


鏡に映ったその姿は・・・



全く知らない誰かだった。



つづく
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/09/11(土) 11:40:46|
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