beat sb hollow

ただひたすらに戯言を

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

HERO 17話【長編】

今までのお話し

HERO 1話
HERO 2話
HERO 3話
HERO 4話
HERO 5話
HERO 6話
HERO 7話
HERO 8話
HERO 9話
HERO 10話
HERO 11話
HERO 12話
HERO 13話
HERO 14話
HERO 15話
HERO 16話



HERO 17話

胸があつい。

血が滴り落ちる。

俺を後ろから貫いている手をゆっくりと引き抜いたガク。
笑っている。

何て俺は迂闊だったんだ。
あの女と一緒にいたおっさんはやっぱり普通の人間だったんだ。
初めからおびえていた。なぜ、もっと注意しなかった。

ガクはなぜここにいた?
周囲は警察の警戒で、すでに一般人はいないハズなんだ。

なぜオレとガクが接触するまで、あの女は黙って見ていた?

全てこういうシナリオだったのか。

オレはなんて迂闊なんだ。

胸から大量の血が噴き出してくる。
これは・・・まずいな。
さすがにこれだけの出血は補えないかもしれない。

目の前にガクがいる。

・・・笑っている。

「お前が【B】だなんて、嘘だろう?ガク」

ガクはうっすらと笑っている。
「仁・・・僕はね。ずっとお前が嫌いでしょうがなかったんだよ。いっつもいばっちゃってさ。もう、殺したくて殺したくて」

そんな・・・そんなハズはないんだ・・・。

ドガッ!

顔面にケリが飛んでくる。

「やめろ・・・ガク。操られてんだよな?正気になれ!」

笑顔のまま、オレを蹴りまくるガク。

「がっ・・・!やめ・・・ろ!・・・やめろー!」

ガクの肩をがっちりと掴んだ。

一瞬、動きがとまる。

「どうだ・・・正気に・・・なったか?」

「・・・うん」

「そうか!大丈夫か?」


ズブゥ


「ぐぁぁぁ!」

太ももにでかいガラスが突き刺さっている。

「正気になったよ!だから早く殺したいねー」

笑顔のガクが言う。

そのままパンチを繰り出してくる。

ソレを左手で掴み、右手でガクの顔面を・・・だめだ。できない!

はっきり言ってガクの動きは大した事ない。
動きも通常の人間が少し早くなったくらいで、攻撃の威力も全然だ。

だからこそ、本当に強化されているとは思えないんだ。

きっと、これではオレが攻撃したら死んでしまうかもしれない。

操られているだけだったら・・・。

どうすればいい。

「あーっはっは。手こずっているみたいねぇ」

後ろから女の声が聞こえてくる。

「ほらほら。反撃したらどう?殺されちゃうよ?さすがのアンタもこのままだと死んじゃうよ?」

オレは女の方を向いた。
心底楽しそうな顔をしている。

「こいつは・・・ガクは操られているだけなんだろう?強化人間の動きじゃない。オレを追いつめる為にわざわざ見つけて来たな?このクソやロウが」

「さぁね?どっちでしょう?うふふ。さぁ、どうする【HERO】」

くそが。

なんて趣味の悪い女だ。

オレは、この体で長時間闘うのは無理だな・・・すでに意識が曖昧になってきている。
ならば・・・とりあえず手は1つしかない。

深呼吸して息を整える。
・・・よし、もう少しやれる。

後ろからガクが手を振り下ろしてきた瞬間、オレは前に飛び出した。

ガクの前から消える。

瞬間、オレは女の前にいた。

突然現れたオレに驚く女の顔がよく見える。
こいつもそれほどの速度じゃねーな。

思い切り右拳を叩きつける。

女は数メートル後ろに飛ばされつつ、なんとか体制を整えて立っていた。

「やるね・・・今のは驚いた。」

「なんとかガードはしたようだが、それではオレには勝てないぞ。ガクを戻せ」

また微笑を浮かべながら、女はこちらにゆっくりと歩いてくる。

「女性にはもっと優しくしなさいよ。まぁ確かに、私はアンタに勝てないね」

いやな感じだ。

勝てないと言っている割にこの余裕はなんだ。

「でも、私が死んだらあの子はどうなるのかしらね?戻らないかも?死んじゃうかも?」

そういう事か。
わかりやすいヤツだ。

「じゃあ、お前を死なない程度に弱らせてゆっくりと聞くさ」

オレは地面を蹴った。

女は目を下に伏せている。
「私たち・・・【A】と【B】はアンタのように完璧な細胞ではない。何か1つの力を特化させた人間だって事・・・すでに知っているとは思うけれど」

かまわずにオレは女に突っ込んで行く。

女はまだ話している。
「知っていなかったら御愁傷様。知っていたのなら、アンタは迂闊だし甘ちゃんだね。これくらいの戦闘力しかない私の長所って、なんだろうって考えなかったの?」



右拳を振り下ろす刹那、女が顔を上げた。

そうだ。

オレは迂闊だった。

そしてバカだった。

「私の能力はね。突出した催眠の力よ」

目があった瞬間、頭が白くなる。

なんだ・・・どうした。

感覚が・・・なくなっていく。死ぬのか。

「サヨナラ」

どこかで声が聞こえた。





****************************************




「意外とあっさりとカタがついたね」

足下には白鳥仁が倒れている。

「さぁ、さっさととどめを指して帰るかね。それともアンタがやる?」
ゆっくりと近寄って来たガクを見ながら女は言った。

「僕は・・・仁を・・・殺す」

「あぁ、もう効果が少しきれかかってるね。へぇ・・・丸一日は効果あるハズなんだけど、そんなにコイツが好きだっだんだね。これは思った以上にアタリを連れてきちゃってたね。うふふ」

女はタバコを取り出し、火をつける。

「まぁ、催眠で潜在能力以上の力は出せるようにはしてあげてるけど、所詮アンタはただの人間。もう使い道ないからね。仲良くいっしょに殺してあげるから安心して。ふふふ」

「僕は・・・仁・・・大嫌いなんだ・・・大・・・好き・・・?」

女はタバコをガクの手に押し付けて消した。

「あら、少し役に立ったわね。あはは。さて、そろそろ終わらせるかな」

女は右手を振り上げる。

「安心しなさい。グロいのは好みじゃないから、一瞬で首を落としてあげるからね。・・・バイバイ」





****************************************





「おかわり」

オレは久美子に茶碗を渡す。

「はいはい。最近少し肉付き良くなってきたんだから、あまり食べすぎちゃだめよー」

そういいながらも、茶碗を受け取る。

「わかってるよ。それより、来月のアレどうしようか」

ごはんを盛った茶碗をオレに返しながら久美子は嬉しそうに微笑む。

「結局ずーっと昔から行こう行こうって言っていて、今まで行けなかったからね。本当、今度こそは絶対だよ!」

「わかってるよ。絶対行こう。しかも、ひょっとしたらその時にはもう、俺たちも状況が変わってるかもしれないぜ。いろいろと」

「えー。なにー?怖いよ」

「ふふ。怖いことじゃないよ。きっと、とっても幸せな事だ」

「なになに?教えてよー」

「だから、いろいろだよ。いろいろ」

「いっつももったいぶるんだから純は。もう」

ふくれた顔を作ってはいるが、笑顔は隠しきれない。
まぁ、待ってろよ。
その為にずっと準備してきたんだから。

やっと。

やっとオレもお前を幸せにする準備ができたんだ。


あれ?


久美子?


気がついたら周りは暗闇になっている。

と、思ったら目の前にまぶしい光が現れた。

「ゆっくりと幸せな夢見てんじゃねーよ」



誰だ?

「なんかお前の意識がここまで飛ばされたからか、今オレ動けるみたいだな。」

まさか・・・。

「オレは今までも全部見てたぜ。お前は正直すぎんだよ。まぁ、それがいいとこなんだろうから、いいんじゃねーの?お前・・・少しだけ休んでろよ。ちょっと行ってくるからよ。」

待て・・・お前は・・・。

「まぁ見てなって」






****************************************





女の手が白鳥仁の首に振り下ろされた。

瞬間、そこにいるハズのその体が消えていた。

「なに?今確かに・・・」

「よう。初めまして」

女が振り返ると、後ろに白鳥仁が立っていた。

「アンタ・・・まさか・・・かなり深くまで意識は飛ばしたハズ!」

「そうだな、ヤツはかなり深くまで飛ばされたな。いい夢まで見ちゃってたぜ。はっはっは」

女は瞬時に後ずさり、距離をとる。

「おいおい。下品なうすら笑顔が消えてるぞねーちゃん。オレはヤツみてーに甘くねぇからまぁ覚悟しなよ」

「初めまして・・・?ヤツ・・・?お前は白鳥仁じゃないっていうの?」



男は首に手を当ててポキポキならす。


「いや。オレが白鳥仁だ」

スポンサーサイト

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2011/12/09(金) 16:38:56|
  2. HERO【長編】
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<HERO 18話【長編】 | ホーム | HERO 16話【長編】>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://donb.blog48.fc2.com/tb.php/273-b2daf976
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

take-hiraoka

Author:take-hiraoka
Dog on Backseat

Twitter

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

最近のコメント

最近の記事

カテゴリー

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。